るぐぐぐ。


第1話「アンドリューW.K.は笑わない」 先生、センセイー! 「どうしたの武山くん」 なにげに初登場。この人が担任の山崎先生(女性、27歳独身)です。 工藤静香と国生さゆりを足して渡辺満里奈で割ったような顔をしています。 実は先生、サイトがマンネリなんですが。 「はあ、結婚したいなあ」 ちょっと、聞いているんですか? 「もちろん聞いているわよ。そう、大変ね。弟さんが受験失敗して」 まだしてませんが。やばいみたいだけど。 「で、それはさておき、きみのサイトね」 そうです。聞いてくれてたんですね。 「あたぼうよ」 読書系サイトとして、どんな本を読むのがナウくてイケテルんでしょう? 「この本を読みなさい」 わあ、ありがとうございます。ん? 『誰もあなたのことなんて考えていない 他人にしばられずに長生きするための58条』[bk1]!? (実話につき、近々本サイトにてレビュー予定) 「いまの貴方にぴったりの本だわ」 先生。 「なに?」 僕と結婚しましょう。 「もっと大人になったらね」 はい。 「炭酸カルシウムガールズ・ジャック」はあくまでこそこそとした運営を 基本理念としている。言葉遣いがアレだとか、使い方がコレだとか気にしていない。 本当に気にしていない。 リンクはいくらでもしてくれて良いです。 こそこそしているのは僕だけです。 でもここから人様のサイトにリンクを貼ることは余り無いです。 だから今もっともHOTな「森100」の企画に関しても こっそり成り行きを見守っています。 みんながんばってね。 で、僕が読了済みなのは以下。 1.エラリー・クイーン『Xの悲劇』 5.アガサ・クリスティ『ABC殺人事件』 21.ピーター・ラヴゼイ『マダム・タッソーがお待ちかね』 30.レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』 31.ロス・マクドナルド『さむけ』 74.赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』 75.島田荘司『占星術殺人事件』 84.北村薫『空飛ぶ馬』 86.京極夏彦『絡新婦の理』 90.つげ義春『ねじ式』 97.早川書房編集部(編)『ミステリ・ハンドブック』 99.萩尾望都『トーマの心臓』 「ミステリ・ハンドブック」はパラパラ読んだだけなので少し微妙。 ハードボイルドは秋田禎信の影響でそこそこ読んでいた。 本気なら、「子どもの科学」の定期購読を申し込むべきではないかと、人事なので言ってみる。 次回予告 「武山くん、先生、結婚するの」 えっ、第2話にして、もう? 「先生、スパゲッティが得意なのよ」 僕もです。 「あら、奇遇ね。でも、クリームソースが上手く出来なくて」 あ、それはですね。仕上げ前に、薄力粉とチーズを適量… 時代が、動き出す。


第2話「エミネムとか聴いてる女の子が多すぎる」 「武山君武山君」 「なんですかセンセイ」 「こないださ、学校でセンター模試受けたでしょう?」 「はい、そうですけど」 「先生ね、武山君の政治経済の解答用紙、どっかにやっちゃったみたい」 「・・・・・マジですか」 「はい。ごめんなさい」 「でさ、悪いんだけどさ」 「はあ」 「覚えている範囲だけでいいから、答え、書いてくれない? これに」 と、解答用紙を取り出す先生。 「はあ」 「ごめんね、本当にごめんね」 「いや、いいっすよ。そんなに出来なかったし(←本当は結構自身あった)」 「ええっと、ほら、この『神の見えざる手』って表現したのはさ、アダム・・・」 「いや教えちゃだめでしょ」 「あ、ごめん」 「ところでね、別の話なんだけど」 「はい」 「先生ね、結婚するの」 「おめでとうございます」 「なに、その間は」 「演出上の都合です」 「わからないよ」 「すみません」 「なんで謝るの」 「僕が悪いんです」 「なにそれ」 「・・・・・・」 「ひょっとして、今の、笑うところ?」 「・・・・・・」 「武山君、ちょっとおかしいよ」 「もともとですよ」 「違うよ、さっきからだよ」 「さっきって?」 「まるで、私の結婚が気に食わないみたいじゃ・・・・・」 「と、言ったら、 どうしますか?」 (ここで話はまた違う方向へ60度ほど傾く) 「終わりましたよ、センセイ」 「えっ? ・・・・あっ」 「どうしたんですか? ぼうっとしちゃって」 「いや、なんでも・・・・疲れてるのかな」 「はやく帰って休んだほうがいいですよ」 「うん、ありがとう」 「それと、もうこんなことは二度と勘弁ですからね」 「わかってるよ、ごめんね、本当に」 「でも、ありがとう」 目の前の彼は、冗談じゃない、というような顔をする。 卒業まで、あと400と2日。    次回予告 「僕と一緒に帰るんだ、『未成年』くん」 「お前らみんなウソツキだ」 「誰があの子をあそこまで傷つけたと思ってるんですか!」 「何者です、あなたは」 「通りすがりの、担任です」 学校、ネット。二つの線が交差するとき、運命は動き出す。 次回、「炭酸カルシウムガールズ・ジャック」第3話、『隣のカート・コバーンはいつも雄弁』 鳥籠の中で、僕たちは空を見上げることすら知らない。


第3話「隣のカート・コバーンはいつも雄弁」 「しくしく。しくしく」 「なにを泣いているんですか、センセイ」 「武山くぅん・・・」 「ほらほら、ちゃんと鼻もかんで」 「ちーん。あ、ありがとう」 「なにも職員室で泣きながら居眠りしなくても」 「うぅ、そんな大きな声で言わないで。しー」 「しー、じゃなくてですね」 「先生ね、クラスのみんなが卒業しちゃう夢見たの」 「まだしてないですよ」 「だから夢だって」 「みんないなくなるんですか」 「そう」 「僕も?」 「きみも」 そのとき彼の表情がかすかに曇ったのを私は見逃さない。 「でね、体育館で卒業式するんだけど、何故かみんな文化祭のときつくったクラスTシャツ着てて・・・」 「なんで体育館なんですか?」 「ん?」 「うちの学校、式典はぜんぶ礼拝堂でやるじゃないですか」 「そうだよね」 「不思議な夢ですね」 「チャカポコチャカポコ」 「今の、言ってみただけですね」 「うん」 がたん。 唐突に大きな音が響く。 職員室の入り口に目を向けると、足元から頭まで全身黒のローブを身にまとった男とも女とも区別の付かぬ人間が6人ほど立っている。 「誰ですか貴方たちはっ?」 叫ぶ教頭を無視。 黙ってつかつかと私と彼のいるほうへやってくる。 「・・・っ?」 「下がっていてください、センセイ」 彼は椅子から立ち上がろうとした私をかばうように、黒ずくめの集団との間に割り込んだ。 彼らの移動がぴたりと止まる。 手のひらを上に向けて、ゆっくりと片手を伸ばす。 黒ずくめの人間たちがひとりずつ次々と口を開く。 「さあ、『未成年』くん。我々と共に来るのだ」 「もうひとりでお弁当を食べたくはないだろう」 「班分けで差別されたりもしない」 「体育で着替えるときおっぱいを揉まれることもないぞ」 「またいっしょに同人誌つくろうよ」 「インターネットに帰ろう」 彼は黙っている。否定も肯定もしない。 ぎり、と歯がきしみをあげる音が聞こえた気がした。 「断る」 そういった途端 「くっ・・・!? はな、せっ!」 「だまれ『未成年』」 「その名で呼ぶな!」 「これ以上手を煩わせるな、小僧」 「俺は、もう、お前たちの世話にならなくても大丈夫なんだ!」 「調子に乗るな。自分がそこまで重要な位置にいるとでも思っているのか?」 「あの!」 何かを考えるよりも、思わず声を出してしまう。 「担任の先生ですか」 「は、はい」 「彼を連れて行きます。ご家庭には連絡済ですので」 「い、一体、貴方たちは・・・」 「すみませんね、ヤクザと公僕を足して2で割ったような職業なもんでして」 「さあ、行くぞ」 「センセイ、すぐ帰ってくるから!」 「よし!東京テレポートにテレポート!」 消えた。 すべては一瞬の出来事だった。 ふら、とよろめくと、パンプスが足元にあった彼の鞄にあたる。 (取出口のチャックが壊れているのでそこの部分は安全ピンで止めてある) 中には教科書とペンケースと、紋舞らんのエロDVDが出てきた。 私は、もうなにもわからなくなった。 次回予告 「きみがやってこなければ、我々は気持ちよくサイトを運営できたのだ」 「ならば貴様はマーサ・グライムズを1冊でも読んでいるのか!?」 「ここが正念場、かな」 「それで僕を否定できたつもりですか?」 「でも、ひとりじゃ寂しいよ」 次回、「炭酸カルシウムガールズ・ジャック」第4話、「ピート・シンフィールドと英語が読めない男」 さあ、きみたちの出番だ。


恋人もスナイパー  バタン!    「あら、しずか? バイオリンのお稽古はどうしたの?」  慌てて玄関のドアを閉めた途端、ちょうど鼻パックをしていたらしいママがそれをつけたままの姿で玄関までやってきて、不思議そうな顔をしてしずかを見てくる。  「ちょっと・・・気分、悪くて。早退してきた」  学校から走って帰ってくる途中に、夢中で考えた言い訳を笑顔で口に出すが、上手く笑えたかどうかは自信がない。  (まさか、あの出木杉さんが・・・)   懸命な読者諸氏はなぜしずかちゃんがママに対してこんな不自然な応対をしているのか不思議に思わないかもしれない(プロットを読んでいるから)。でもナレーターの義務としてとりあえず説明しよう。  しずかはバイオリン教室に行く途中、出木杉が学校の校庭で20歳前後の女性を殺して食べているのを見た。  ある日突然転校してきた出木杉は、スポーツも勉強もできるスーパーマンだった。  しかも小学5年生なのにセックスも上手かった。しずかと同じクラスのヨシコちゃんはさっそく彼と寝たらしいが、「彼マジ凄いわ、指が天才」とかクラスのヤリマン連中と話し合っているのをのび太が盗み聞きしてそれがばれて「なにみてんだよ、キモイんだよのび太」と箒と雑巾を投げつけられていた。  (その出木杉さんが、最近巷を騒がせている連続OL殺人犯だったなんて・・・しずか怖い。でも戦わなきゃ!)  そうすれば、今まで女の子の友達がいなかったしずかも、クラスで目立つことが出来るかもしれない。  「しずか」  夜中にこっそり家を出ようとしたしずかの体は、電撃が走ったかのように跳ねた。  静かな、しかし全てを見通した目で、しずかのほうをじっと見る。  「行くのね」  「ごめんなさい、ママ」  「これを。我が家に代々伝わる、由緒正しき代物よ」  ママがエプロンのポケットからなにか取り出す。  鈍く黒光りする、大型のコルトパイソンだった。  「貴女にだけは、渡したくなかったのだけれど」  そういって、ママはちょっと苦笑い。その目にはうっすらと涙がにじんでいる。  「ママ・・・!」  「頑張るのよ、あなたみたいに強い女の子が、出産の痛みも分からない男の子になんて、絶対負けないんだから」  しずかは彼女にはまだ大きすぎるリボルバーを胸元でぎゅっと抱きしめ、そのまま、一言も発さず、一度も振り向かずに、走って家を出た。  決戦の時が、近づいている。  「出木杉さん!」  「来たなァ!しずかちゃん!」  狼男へと変貌を遂げた出木杉がしずかを出迎える。  いい忘れていたが、彼は今日みたいな満月の夜になると変身するのだ。  「ふっ、まさか僕の携帯に決闘を申し込むメールを送ってくれるとはね。最近の小学生は発育が早い」  しずかは黙って彼をにらみつけている。  やがて、意を決したように出木杉に向かって叫んだ。  「人間を奴隷にするのは、悪いことです!」  「ふふふ、僕はその映画には出ていないからよくわからないんだけど・・・」  しずかの決意の込められた叫びを鼻で笑う出木杉に、しずかはむかついた。  「人を殺すのは、もっと悪いことです!」  「HAHAHA、なにを言ってるんだしずかちゃん。今ミステリサイトでも一種異様なくらい大人気な伊坂幸太郎の某作品だって、結局はヒトを殺してヤッタバンザーイっていう話じゃないか。まったく世の中には悪書が氾濫しすぎているな。PTAに指導してもらわないと」  「黙りなさい!」  しずかはコルトパイソンを出木杉に向ける。震える手首がカチャカチャと銃身を鳴らす。  「うわっはっはっはっは!ずいぶん物騒なものを持ってきたじゃないかしずかちゃん!」  「うるさーい!わたしは社会正義のためにこれからあなたを殺すのよ!」  引き金をひこうとするが、もともと非力なのと恐怖で震えているのとで、うまくいかない。  「ここでひとつ面白いことを教えてあげよう」  出木杉の表情が、にわかに真剣味をおびる。  「なに?」  「きみが目撃した校庭で女性を殺す男、あれはたしかに僕だ」  (なにを言ってるんだろうこの男は)  「で、さ。考えたことある?なんで僕がこんな体になってしまったのかを?」  「うるさい、死ね!」  バキューンバキューン。と、格好のいい音などもちろん轟かず、出木杉にコルトパイソンの回転する部分のところ(名前なんていうのかわかんないや)をつかまれてむしりとられて校庭のどこかに飛ばされていった。  この瞬間、ラストシーンにおけるしずかの死は決まった。  「焦らないでまあ聴いてくれよ、うん、まあ結論から言うと、僕はサイボーグなんだ。元ストックホルム医療科学技術研究所所長、ウルセ・ミナモト博士に作られた、ね」  しずかの表情に戦慄が走る。  「じゃ、じゃあ、あなたを作って、そして、人をこんなに殺したのは・・・」  しずかの声が震える。もはや現実感はあなたのパソコンのディスプレイを越えてどこかに飛んでいってしまった。  「女性たちを殺したのは、僕じゃない、きみのパパなんだよ、しずかちゃん!」  ぱん。  人生が終わる瞬間にしては、あまりにあっけない響き。  出木杉はその場をぴくりとも動かず、目を逸らさずにじっとそれを見ていた。  しずかの胸から鮮血がほとばしる。  「のび太くん!」  振り返った先にいたのび太の手にはコルトパイソンが握られており、そこからゆっくりと白煙が漂い、虚空へと消えていく。  「ぼっ、僕は悪くなんかないぞ・・・!」  出木杉の殺気に気おされ、のび太は後ずさりを始める。  「で、出木杉っ、お前が悪いんだ、お前が・・・しずかちゃんをたぶらかして・・・どうせ、え、え、エッチなことも、するつもりだったんだろう!」  ガキン、という音がして、のび太の手からコルトパイソンが落下したのが分かる。のび太はそのまま両手を高く上げ、どういうわけか半笑いを浮かべだす。  のび太の独白が、短いながらも始まる。  「こっ、こないだ、道徳の時間テレビでみたんだ・・・。南アフリカとか、南米諸国ではまだまだ貧しい国がたくさんあって・・・世界を100人の村にたとえると、その人たちは僕らが使っている資源を全世界の100とすると20を必死で分け合って使っていて、1年中をテロやレイプや強奪におびえて暮らしていて・・・」  のび太は涙を流し、鼻水をたらして、全世界に向けてカメラ目線で切々と訴える。  「死ね!お前ら、みんな死ね!なんで第三世界の人たちはあんなに苦しんでいるのに、お前らは平気でのうのうと生きているんだよ!死ねよ!死んで食べ物とか着るものとか薬とか、なんでもいいからあの人たちにあげろよ!日本なんて沈没しちゃえよ!」  必死な願いは、いつだってかなうものなのだ。たとえそれが歪んだものだとしても。でないと、願いは必ず叶うさーと歌っているJ−POPの人たちは全員うそつきだということになるのだから。そんなことを、神様が許すはずがない。  だからその時、神様は言った。  「お前の願いを叶えてやろう」    途端に地盤が崩れだし、日本は沈没し始めた。  「くっ・・・のび太くんっ!」  「出木杉ー!」  二人の叫び声はマントルの奥底へと消えていく。    2004年6月1日。  日本は小泉政権を象徴、風刺、揶揄するかのような勢いで沈没し、歴史から姿を消した。 〜エピローグ〜  それから3年がすぎて。     出木杉は、地殻・マントルを通り越して地球の反対側、ブラジルのリオデジャネイロにいた。そこにたどり着くまでに、彼はこの地球に地下世界などなく、竜の騎士も存在しないということを知った。  すっかりうらぶれ、路上で自作のアクセサリーを売っていた彼の元に、ひとりの少年が立ち止まった。  「いらっしゃい」  久々の客に愛想よく微笑みかける出木杉。  「あんパン」  「あんパンは売ってないなあ」  「なんのことだか、よくわからないです」  「うるせーガキ。クソして寝ろ」  客かと思ったらただ頭のおかしな子供だったと分かって落胆した出木杉は、少年を追い払おうとした。  と、不意に、出木杉は、少年が左手に持っている、子供が持つには非常に不似合いな物に気が付いた。  黒光りする、大型のコルトパイソンだった。  ごくりと唾を飲み込み、出木杉は言った。  「ねえ、きみ、名前はなんていうの?」  「ヴァン・ダインです」  完。

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